これ以上ないくらい危機的状況なのに、なぜか悲壮感や絶望感が全く漂わない火星サバイバル映画
kumaの個人的評価 65点 (Amazonレビューを見る)
劇場公開日 2016年2月5日
デジタル配信 2016年4月27日
あらすじ
火星での有人探査中に嵐に巻き込まれた宇宙飛行士のマーク・ワトニー(マット・デイモン)。乗組員はワトニーが死亡したと思い、火星を去るが、彼は生きて いた。空気も水も通信手段もなく、わずかな食料しかない危機的状況で、ワトニーは生き延びようとする。一方、NASAは世界中から科学者を結集し救出を企 て、仲間たちもまた大胆な救出ミッションを敢行しようとしていた。
シネマトゥデイより
感想
ワトニーは絶望的な状況に置かれているはずなんですが、全編に渡ってあまり絶望感がないんですよね。観ていてハラハラドキドキしません。
まず、火星で生き抜く上で問題となるのが水と食料の調達ですが、ワトニーは早い段階でこれをあっさりとクリアしてしまい、試行錯誤を重ねる過程がほとんど描かれていません。
また、火星に1人取り残されたら、想像を絶するような孤独との戦いで精神的におかしくなりそうなものですが、ワトニーは地球との交信手段を持っているので、かなり精神的に余裕があります。
個人的には、ワトニーが地球と一切交信できず、助けが来るかどうかもわからない状況で、何年もの間火星でのサバイバルを生き抜く、という展開の方がよかったなあ、と思います。
映画の後半は、半分以上の時間が地球側のワトニー救出作戦に割かれています。
急にいろんな人が出てきて小難しい議論をし始めますが、あまりリアリティのあるやりとりに感じられず、観ていてダレます。
結局、ワトニーのサバイバルに主眼を置くのか、地球側の救出作戦に主眼を置くのかはっきりしないために、どちらの描写も中途半端で、映画全体の緊張感を削いでしまったと思います。
予告編