最後のオーディションシーンだけでそれまでのゴチャゴチャを無理やり解決にもっていく映画。
kumaの個人的評価 40点 (Amazonレビューを見る)
劇場公開日 2015年10月31日
レンタル開始日 2016年4月2日
あらすじ
フランスの片田舎の農家であるベリエ家は、高校生の長女ポーラ(ルアンヌ・エメラ)以外、全員が聴覚障害者。ある日音楽教師トマソン(エリック・エルモス ニーノ)に歌の才能を認められ、パリの音楽学校で行われるオーディションを勧められたポーラは喜ぶものの、歌声を聴けない家族から反対される。家族のコ ミュニケーションに欠かせないポーラは、考えた揚げ句……。
シネマトゥデイより
感想
高校の音楽教師に歌の才能を認められた少女ポーラが、パリの音楽学校を受験するお話です。
ポーラの両親は聴覚障害を持っていて、両親はポーラの手助けなしに生活することが難しいのですが、ポーラから音楽学校の試験を受けることを聞いた途端、全力で反対します。
その理由が、ポーラが家を出て行ってしまうと自分たちの生活が不自由になるというもの。
確かに、そうでしょうけれども、ポーラの将来のことを考えたら、そこに多少の葛藤はないの?という感じです。
ポーラの両親は聴覚障害を持っているとはいえ、ポーラの歌の才能に対してほとんど関心を示さないことも不思議です。
ポーラの父親は、勝手に町長選への出馬を決めたり、やりたい放題やっているのに、娘のやることには速攻で否定するというのは自分勝手すぎです。
逆にポーラの方も、もともと歌うことにあまり興味がなさそうだったのに、教師から「歌の才能あるからパリの学校に行けるかもよ」と言われて、すぐその気になってしまうところに違和感があります。
結局、ポーラも内心では家族と離れて暮らしたかったところに、音楽学校の受験の話が出てきて、「渡りに船」だったということでしょうか。
この映画のテーマ自体は悪くないのですが、本来、作中で丁寧に描かなければいけない「親と子の葛藤」と「ポーラの歌に対する情熱」がいい加減に扱われていて、観ている方はフラストレーションがたまります。「泣きたいのに泣けない!」という感じです。
なんで、映画の核心部分を手抜きするんでしょうかね。
あと、この映画は性的な描写も多いのですが、それがストーリーとあまり関係ないので、観ていて辟易します。
この映画と似たテーマを扱った作品に「リトル・ダンサー」がありますが、この映画を観て、あらためて「リトル・ダンサー」の素晴らしさを再認識しました。
予告編