殺人犯と記者の緊張感みなぎるやり取りを描いたサスペンス映画の傑作。90点
© TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPORATION.
あらすじ
記事の捏造が発覚し、ニューヨーク・タイムズを解雇された記者マイケル・フィンケル。そんな彼のもとに、一本の電話がかかってくる。その内容は、妻と3人 の子供を殺害した容疑で逮捕された男クリスチャン・ロンゴが、マイケルに成りすまして逃亡していたというものだった。記者として事件に興味を持った彼は、 すぐにロンゴの取材を開始。やがてロンゴは事件の真相を語りだす。取材を進めるうちに、マイケルは彼の無実を信じ、2人は信頼関係を築いていくが…。
公式サイトより
感想(ネタバレなし)
元ニューヨーク・タイムズ紙の記者のフィンケルは、妻子を殺害した容疑で勾留されているロンゴと面会し、取材を重ねるうちに本当に彼が殺人を犯したのか、疑問に思い始めます。
ロンゴは物静かな性格で、感情をあまり表に出さず、淡々とフィンケルのインタビューに答えるものの、質問が事件の核心に及ぶと、「今は言えない」などと言って、意味深な態度をみせます。
ロンゴ役の俳優の抑制のきいた演技が見事で、ほんのわずかな表情の変化で、内に凶暴性を秘めた殺人鬼のようにも見せるし、物静かな家族思いの優しい父親のようにも見せます。
観ている方も、果たしてロンゴが本当に凶悪な殺人鬼なのか、それとも普通の父親なのかわからなくなります。
フィンケルはロンゴへの取材を重ねるうちに彼の無実を確信し、取材内容をもとに本を執筆して出版社に売り込みます。
そして、ロンゴは裁判の日を迎え・・・。そこから先は怒涛の展開です。
脚本が素晴らしく、映像も無駄な部分を徹底的にそぎ落としているので、全く退屈しませんでした。
観る側にある程度の推察力が求められるので、大人向けの映画ではありますが、間違いなくオススメの一本です。
今のところ、Amazonビデオなどのデジタル配信で視聴可能です。
劇場未公開
配信開始日 2016年5月31日