サブプライムローンの真相をわかりやすく描きつつ、ドラマ性も両立した金融映画の傑作 90点
©2015 PARAMOUNT PICTURES
あらすじ
2005年のアメリカ。金融トレーダーのマイケル(クリスチャン・ベイル)は、サブプライムローンの危機を指摘するもウォール街では一笑を買ってしまい、「クレジット・デフォルト・スワップ」という金融取引で出し抜いてやろうと考える。同じころ、銀行家ジャレド(ライアン・ゴズリング)がマイケルの戦略を知り、ヘッジファンドマネージャーのマーク(スティーヴ・カレル)、伝説の銀行家ベン(ブラッド・ピット)らを巻き込み……。
シネマトゥデイより
感想(ネタバレなし)
面白かった。
世界を金融危機に陥れた「サブプライムローン」がどのように誕生し、どのような経緯で破綻に至ったのか、丁寧に描かれている。
その点だけでも十分に評価に値するが、この映画が優れているのは、きちんと娯楽作品として楽しめるように構成されていること。
サブプライムローンの破綻に大金をかけた男たちの運命がどうなるのか、最後までハラハラさせられた。
実話をベースとした物語は概して「中だるみ」しがちだが、この映画は最初から最後まで全く緊張感が途切れることがなかった。
登場人物の数は多いものの、個性が丁寧に描き分けられているため、観ていて混乱することはない。
クリスチャン・ベールの抑制の効いた演技が特に素晴らしかった。
この映画は証券取引の世界ことを少しでも知っているとより楽しめるが、そうでなくても十分面白い。
間違いなくオススメの一作。
劇場公開日 2016年3月4日
リリース日 2016年7月6日