映画としてのエンターテイメント性に乏しく、リアリティも中途半端な戦争映画。25点
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あらすじ
イタリア系移民として苛められた少年時代に、陸上競技の才能を兄に見出されたルイ・ザンペリーニ。
19歳で1936年ベルリン・オリンピックに出場し、5000mで8位となり4年後の東京オリンピックで金メダルを取る夢を持つ。
しかしその後米軍爆撃手として第二次世界大戦に従軍。
B-24で飛行中南太平洋に不時着し、日本軍にとらわれ収容所へ。
待ち受けていたのは、精神的肉体的に秀でたルイに執着する渡辺伍長との出会いだった。
戦争という極限状態の中、「苦しみは一瞬、栄光は一生続く」という兄からの言葉と共に選手時代の自分へと思いを馳せる。
彼は強い精神力で、生きるために耐え続ける…。
Amazonより
感想(ネタバレあり)
全体的に薄っぺらい内容で、どこを楽しめばいいのかわからない映画。
主人公のルイがオリンピックに出場したり、太平洋を何日間も漂流する前半部分はまだ面白かったものの、日本軍の捕虜になった後半から「別の映画か」と思うくらいに急速につまらなくなった。
その原因は、「リアリティの欠如」に尽きる。
「捕虜の収容所ってこんな感じでしょ」という適当感が満載で、捕虜となった米軍兵が毎日何を思って生活していたのか、全くつかめない。
収容所の責任者である「渡辺伍長」が主人公のルイを徹底的にいじめ抜くのだが、彼がなぜそのような行動に出るのかも全くもって不明。
そもそも渡辺伍長が見るからにヒョロヒョロの草食系男子なので、「こんなので収容所の責任者が務まるのかよ」とツッコミたくなる。演技も微妙。
この収容所のシーンは1時間以上も続くが、物語の起伏はほとんどなく、映像の派手さも全くないため、観ていて何度もウトウトしてしまった。
映画としてのエンターテイメント性に乏しい上に、戦争映画としてのリアリティにも乏しく、何もかもが中途半端に終わってしまっている作品。
劇場公開日 2016年2月6日
リリース日 2016年8月24日