「死霊館 エンフィールド事件」感想(ネタバレなし)

conjuring2

とにかく怖い、そして最高に面白い正統派ホラー映画の傑作。85点

© 2016 Warner Bros. Entertainment Inc.

あらすじ

1960年以降、アメリカを中心に数々の心霊事件を解決に導いてきた実在の心霊研究家ウォーレン夫妻。彼らが極秘にしてきた事件を描き、世界中に“真実の恐怖”を叩きつけた前作『死霊館』から3年。オリジナルキャスト&スタッフが再び驚愕の実話恐怖事件を掘り起こす。その名は「エンフィールド事件」。“史上最長期間続いたポルターガイスト現象”として心霊史に残る悪名高き事件で、人々は“ポルターガイスト”という言葉と、その恐ろしさを知ることとなった。前作を遥かに凌ぐ“極限の恐怖”の舞台はロンドン北部エンフィールド。正体不明の音・不穏な囁き声・人体浮遊など数々の不可解現象に苦しむ人々を救うためウォーレン夫妻は再び恐怖の元凶と対峙することとなる。

Amazonより

感想(ネタバレなし)

ここ最近で観たホラー映画の中では群を抜いて怖く、そして最高に面白かった。

正直、「死霊館 エンフィールド事件」というしょうもない邦題からして、低予算B級ホラーだとばかり思っていたが、ふたを開ければワーナーブラザーズがお金をかけてきちんと作った真面目な作品。ちなみに原題は「The Conjuring2」。

話の流れとしては、ロンドンに住む一家の身に次々と怪奇現象が起こり、それをアメリカ在住の心霊研究家ウォーレン夫妻が解決するというもの。

ストーリーはありきたりだが、怪奇現象の見せ方が半端なく怖い。ホラーのセオリーをこれでもかと詰め込み、クオリティの高い演出で仕上げている。

脚本、演出、カメラワーク、何もかもが計算されつくされていて、突っ込みどころがほとんどなく、映画の世界観に没入できた。観始めて1分で「これは絶対に面白い」と確信した。

また、明るいシーンと怖いシーンのメリハリのつけ方が絶妙で、夜のシーンになると恐怖のあまり思わず目を閉じたくなった。

こういうクオリティの高いホラー映画を見ると、いかに我々が普段、手抜きのホラー映画に慣らされているか実感する。もはや「貞子vs伽椰子」みたいなコメディかホラーかよくわからない映画を観て喜んでいる場合ではない。

この作品は「ホラー映画=B級映画」という近年の悪しき図式を覆す、正統派ホラー映画の傑作である。


劇場公開日:2016年7月9日
リリース日:2016年11月9日
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