スキージャンプ経験ゼロの男がオリンピック出場を目指すヒューマンドラマ 75点
感想(ネタバレなし)
非常に面白かった。
脚本、演出、役者がしっかりしていて最後まで安心して見ることができた。
ストーリーは、幼少期からオリンピックに強い憧れを持っていたエディが、イギリス国内において当時競技者が全くいなかったスキージャンプでオリンピック出場を目指すというもの。
エディはオリンピック出場のための高いハードルにくじけそうになりながらも、家族やコーチの助けを得ながら、着実にジャンパーとして成長していく。
そして、オリンピック選考委員会から、エディのもとに一通の手紙が届く・・・。
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非常に丁寧に作られた作品で、久々に「普通の」良い映画を観たという気持ちになった。
ただ、残念なところも多い。
まず、なぜエディがなぜオリンピックに出場することに異様なまでの熱意をもっているのか、そのあたりが全く触れられていない。
エディはとにかくオリンピックに出たい一心で、イギリスでは当時競技者が全くいなかったスキージャンプに挑むことになるが、そのオリンピックに対する熱量がどこから来るのか不明であるため、観ている側としては納得できるところが少なく、素直に感情移入することが出来ない。
また、エディが資金の問題や身体的なハンデキャップの問題(極度の近視)をどうやって解決していったのか、そのあたりのことも省略されているため、観ていて物足りなさを感じた。
正直なところ、コーチ役のヒュー・ジャックマンの存在感がありすぎて、主役のエディを食ってしまっている感があった。
エディの人間性をもう少し掘り下げて描いた方がストーリーに深みが出て面白かったと思う。
あと、映画好きの人なら、この映画のストーリー展開をみて「クール・ランニング」を思い出すはず。
「クール・ランニング」も実話をベースにした映画だが、あちらはフィクションも交えて良質なコメディに仕上がっていただけに、本作はやや地味な印象を受ける。
色々書いたものの、エディのひたむきな姿には共感できるし、最後は映画らしいスッキリした結末になっているので、万人に安心してオススメできる内容です。
(劇場未公開 リリース日:2017年2月3日)