「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」感想(ネタバレなし)

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不思議な力をもつ子供たちが過酷な運命に立ち向かうダーク・ファンタジー。70点

感想(ネタバレなし)

「おとぎ話×SF」という感じで、面白かった。

現実世界のどこかに不思議な異世界への入り口が開いているという設定は、ありがちだけれどもやっぱりワクワクさせられる。

とはいえ、本作は大人が観るにはちょっとファンタジー方面により過ぎで、子供が観るには話が複雑すぎてわかりにくい気がした。

簡単にストーリーを要約すると、主人公のジェイクは父と一緒に訪れた小さな島で、不思議な力を持つ子供たちが暮らす施設を発見する。

その子供たちは、ある理由から1943年9月3日を「ループ」する世界で暮らしていた。

やがてジェイク自身も、自分に不思議な力が宿っていることに気づき、子供たちと過酷な運命を共にすることになる・・・。

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子供たちの能力は、空を飛べる、火を操れる、蜂を操れる、頭の後ろに口がある、力がめちゃくちゃ強い、身体が透明など多種多様。

一見すると何の役に立つのかわからない能力を持つ子供も、後々ちゃんと活躍するシーンが用意されている。

映画の前半部分は不思議な世界観を全面に押し出していて、謎が謎を呼ぶミステリアスな展開で期待が高まった。

ただ、後半は「ループ」する世界で暮らす子供を脅かす存在(ホロー)との戦いに力点がおかれ、序盤の盛り上がりに比べると勢いが若干失速してしまった感がある。

また、ホローとの戦いに複雑な時間軸の遷移が絡んでくるため、かなり理解が難しくなる。

ラストはちょっとひねりを効かせた展開で、思わずホロリとなった。

ミステリー要素、恋愛要素、ホラー要素がバランスよくミックスされていて、映画の面白さがギュッと詰め込まれている。

ゴリゴリのファンタジーに抵抗がない人であれば、とりあえず観て損はないと思う。

ただ、ダーク・ファンタジーを謳っていることもあって結構グロい表現があるので、そういうのが苦手な人や小さい子供は注意が必要かもしれません。

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