文明と隔絶された孤島で暮らす少年と女性たちを描いたサスペンス・ホラー。10点
感想(ネタバレあり)
「エコール」の監督の作品。
観終わった後の率直な感想は、「ナニコレ?」といった感じ。単純に話が面白くない。
ストーリーを要約すると、10歳位の少年たちと成人の女性だけが暮らす海岸沿いの集落があり、そこでは少年のお腹に生物的な「何か」を植え付けてその成長を観察する狂気の医療実験が繰り返されていた、というもの。
この監督は、「性」を「グロテスクなもの」と捉え、映像で表現しようとしたのか知らないが、嫌悪感を抱かせる映像のオンパレードで、ただただ見ていて不快なだけだった。
泥のような灰色の食事、執拗に繰り返される注射シーン、痛々しい手術シーン、ヒトデを石で叩くシーン、トカゲが這いまわる不衛生な病院など、観る者を不快にさせる演出が随所にちりばめられている。
こういった演出が物語を展開する上で必要不可欠なもので、最後に「ああ、そういうことを言いたかったのね」と納得させてくれるならまだいいが、この映画は単に不快にさせるだけしておいて、何の回答も与えない。
映画のラストで主人公のニコルは、看護婦のステラに助けられて島を脱出することに成功するが、そもそも実験の目的は何だったのか、島の女性たちは何者なのかという点は全くわからないまま。
最初から最後まで「何かありそうな気配」を漂わせながら、底の浅いオチで終わるという一番嫌いな展開の作品。
少女が大人になる過程を幻想的な映像で表現した「エコール」とは全く方向性が異なっている。
こういう一般的でない(=娯楽的でない)映画が好きという人は一定数いると思うが、普通の映画ファンは避けた方が無難。
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