最新の映像技術でよみがえる新生「ベン・ハー」。80点
感想(ネタバレあり)
1959年のアカデミー賞作品賞を受賞した有名作「ベン・ハー」のリメイク作品。
最初に断っておくと、私は1959年の「ベン・ハー」は観たことがない。
映画のタイトルは知っているけれども、どんな内容か全く知らなかった。
夜遅い時間に見始めたため、途中で眠くならないか心配だったものの、開始5分で眠気が吹き飛んだ。
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ローマ帝国が興隆を極めた時代。いつ命を落とすかもしれない不安定な政治情勢において豪族の地位にあり、何ら不自由をしていなかったベン・ハーは、傷ついた反逆者の子供をかくまったことで、その人生が一変する。
ローマ帝国に罪人として捕らえられたベン・ハーは、奴隷としてガレー船に乗り込み、ひたすら薄暗い船底でオールを漕ぐ過酷な人生を送ることになる。
海洋戦においてベン・ハーの乗った船が難破し、命からがら陸地にたどりついた彼は、謎の族長イルデリム(モーガン・フリーマン)に命を救われる。
死線を何度もくぐり抜けた彼は、戦車競走(チャリオット・レース)と出会い、ローマ帝国に復讐を果たす機会を得る。
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クライマックスの戦車競走シーンは、「CGを極力使わず」撮影したとのこと。
荒れ狂う馬たちがぶつかり合って騎乗者が吹っ飛ぶシーンはフルCGでもおかしくないくらい迫力があった。
映画の冒頭ではナヨっとした雰囲気のベン・ハーが、5年に及ぶ奴隷生活を経てたくましい男性に成長する過程はグッとくるものがある。
ラストは身分の格差を超えた友情と、家族の再生でハッピーエンドを迎える。
映画の内容はエンターテイメントに振り切っているので、難しいことを考えずに気楽に見るのが正解だと思う。
昔の「ベン・ハー」が好きだった人には違和感があるかもしれないが、初めて見る人にとってはほぼ間違いなく楽しめる内容になっている。
映像の迫力がすさまじいので、できれば映画館で観たかった作品。
オススメします。
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「ベン・ハー(2016)」
(劇場未公開 リリース日:2017年2月8日)