「熟れた快楽」感想(ネタバレあり)

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夫のDVと不眠に悩む中年女性と脳医学者の不倫を描いた映画。40点

感想(ネタバレあり)

官能的なタイトルとは裏腹にエロティックな描写はほぼなしというある意味意欲的な作品。

ストーリーを簡単に説明すると、夫のDVで悩む中年女性(ヘレーネ)が著名な脳医学者(エドゥアルト)と恋に落ち、逢瀬を重ねていたところ、それがDV夫にバレてさあ大変、というもの。

よくある不倫ものながら、この映画が少し変わっているのは、不倫相手のエドゥアルトが極度のアダルトビデオマニアであり、自慰中毒者であるということ。

正直その設定だけでドン引きだし、なぜか彼に対して好意を寄せるヘレーネにもちょっと共感できない。

観ている側としては、エドゥアルトに対して「ストーカー気質の変態オヤジ」という印象しかなく、彼の魅力が全然伝わってこない。

感情的なDV夫と対極の脳医学者を不倫相手に設定したところまでは良かったが、彼の学者的な振る舞いは表面的なもので深みがなく、人間としての浅さを感じてしまう。

むしろ、あまり登場しないDV夫の方が妙な存在感があった。彼の病的な言動や仕草には不気味なリアリティがあった。

不倫をテーマにした映画である以上、製作者は、ヘレーネがエドゥアルトとの許されぬ恋に走ってしまった理由を説明する必要がある。

しかし、この映画は十分説明できていない。

当然、視聴者は感情移入することはできず、単なる傍観者となってしまう。

全体的に内容が薄くて浅くて見ているこちらが猛烈に眠くなる、そんな作品だった。

不眠症の方はどうぞ。

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熟れた快楽

劇場未公開 リリース日:2017年5月2日

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