感想(ネタバレあり注意)
個人的にロードムービーは眠くなるのであまり好きではないが、この映画はそこそこ楽しめた。
母親をなくした少年ルイスと、ルイスの前に突然現れた謎の男ジョンが、ニューメキシコ州にあるルイスの祖母の家まで車で旅をする過程を描く。
ジョンはほぼ無一文のため、旅の途中で強盗をしたり、車を盗んだりと危ない橋を渡るが、ルイスが手助けをすることでかろうじて難を乗り切っていく。
孤独な者同士、次第に心の距離を縮めていくジョンとルイス。
物語の終盤、警察に通報され窮地に追い込まれたジョンは、ルイスを逃がすために自ら進んで逮捕される道を選択する。
一人残されたルイスはニューメキシコに向けて旅を続け、ボロボロになりながらたどり着いた祖母の家で、壁に貼られた一枚の写真を見つける。
写真には、亡くなった母と赤ん坊の頃の自分を抱くジョンの姿が写っていた。エンディング。
盗みがいとも簡単に成功するあたりや、ルイスが見ず知らずの男と手を組んで犯罪に協力するあたりはリアリティがあるとはいえず、突っ込みどころは山ほどある。
しかし、これらの欠点があまり気にならなかったのは、この映画が主題としているルイスとジョンの心の交流がそれなりに描けていたからだと思う。
登場人物が言葉で感情を説明しすぎなのと、肝心のオチ(ジョンがルイスの父であること)が途中で読めてしまうのが残念だが、ラストシーンはやっぱりグッとくるものがあった。
ジョンとルイス役の俳優が魅力的なのも最後まで飽きずに観れた要因だと思う(特にルイス役の子役が、イケメンすぎず、ブサイクでもなくちょうどいい)。
オススメの作品。
70点(100点満点)