感想(ネタバレあり)
ミステリー仕立ての恋愛ドラマといった内容。
あらすじを簡潔にまとめると、
ある朝、弁護士のポールが行方不明となり、その妻・エーヴは、警察に夫の捜索を願い出る。悲嘆にくれていたエーヴの元に、夫の知人の弁護士ショレーが現れ、彼女に救いの手を差し伸べる。やがて二人は男女の関係に・・・。というお話。
物語の序盤から中盤にかけてショレーは理性的かつ紳士的な人物として描かれ、視聴者はきっと彼が失踪の謎を解き明かしてくれるものと期待する。
しかし、謎は解決する気配を見せないまま、二人の微妙な関係がゆっくりとしたタッチで描かれる。
オチを明かしてしまうと、ポールとエーヴの夫婦は、仕事仲間のショレーから金を奪い取る目的で一芝居うって失踪を演出したということらしい。
で、それはどうやら成功した模様。
はっきりいって、現実味がなさすぎて面白くない。登場人物の行動や動機の部分に対するリアリティが全くない。
そもそも弁護士のポールが裁判で敗訴したぐらいで経営困難になるほど社会的信用が失墜するとは思えない。
加えて致命的なのは、視聴者を欺く手法がとられているという点。
物語はエーヴの視点とショレーの視点を交えながら進行するが、彼女は一人でいるときに明らかにポールの行方を知っているとは思えない行動をとっている。
ということは、「エーヴは彼の失踪の原因を知らない」、という前提が成立するのであって、その前提を覆すようなオチはアンフェアと評価せざるを得ない。
ミステリーとしては全くダメ。
恋愛ドラマとしても中途半端。
観るべきところがほとんどない作品というのが正直な感想。
ただ、エーヴ役の女優は魅力的だったので、そこだけが救い。
35点(100点満点)